ネット上の情報では「中古ワンルームは安全」「買えば自動的に資産ができる」と極端に美化されるケースがある一方、致命的な盲点を見落としている投資家が少なくありません。とりわけ2026年現在の金融環境において直視すべき構造的リスクが存在します。
最大のリスク要因は、日銀の金融政策正常化に伴う借入金利の上昇です。長年続いた超低金利時代は終わりを告げ、投資用不動産ローンの金利水準は変動金利を中心に上昇傾向にあります。フルローンに近い形で借入を行い、借入金利が1%台後半から2%台半ばへと切り上がった場合、月々の返済額が数千円単位で増加します。
もともと中古ワンルームの月額収支は「手残り数千円」という薄氷のプラスで推移することが多いため、金利がわずか0.5%上昇しただけで、毎月のキャッシュフローが赤字へ転落するリスクを孕んでいます。この点を理解せず、「家賃収入が勝手にローンを全額返済してくれる」と盲信していると、毎月の持ち出しが発生した段階でパニックに陥ることになります。
さらに見過ごせないのが、建物の経年劣化に伴う修繕積立金の段階的増額です。築25年、30年を迎えるマンションでは、大規模修繕工事の積立不足を補うために管理組合で修繕積立金の値上げが決議されるケースが珍しくありません。毎月の修繕積立金が3,000円から7,000円に跳ね上がれば、オーナーの手残り利益は直接的に圧縮されます。日本財託がいくら入居者を途切れなく確保したとしても、建物管理組合の財務状況まではコントロールできません。購入前の重要事項説明書や長期修繕計画書を綿密に精査する作業を怠れば、思わぬ収支悪化に見舞われることになります。