「大阪に住んでいれば、どこの私立高校へ行ってもタダになる」という言説は明白な誤解である。大阪府民が私立高校授業料無償化の恩恵をフルに受けるには、進学先が大阪府の実施する支援制度に正式参加している対象校一覧に含まれている必要がある。
とりわけ激しい摩擦を生んでいるのが、兵庫県、京都府、奈良県など府外の私立高校へ通学するケースだ。大阪府は独自のルールとして、府外校に対しても大阪府の制度へ参加するよう求めているが、隣接自治体の私学団体からは「自治体ごとの教育行政に対する越境介入である」と猛烈な反発が起きた。その結果、関西圏の著名進学校や大学系列校の中には、大阪府の制度への参加を見送った学校が少なからず存在する。
もし参加していない府外私立高校へ進学した場合、大阪府からの上乗せ補助金は1円も支給されず、国の就学支援金(年収に応じた基本給付のみ)しか受け取ることができない。高所得世帯がこうした不参加校を選べば、年間数十万円から百万円前後の学費を自前で捻出することになるため、志望校選びの段階で「大阪府の認可参加校であるか」を確認する作業は死活問題となる。