有楽町駅前で起きた事態は、単なる「混雑」などという生易しいものではありませんでした。11日午前5時を過ぎた頃、仕切り用コーンや案内ロープは転倒した群衆の圧力で破壊され、建物のガラスドアに押し付けられた人々から悲鳴が上がるなど、将棋倒し寸前の危険な群集事故の一歩手前まで達していました。
現場を目撃していた一般参加者の手記や当時の掲示板に残された一次証言によると、特に酷かったのが「横入りの横行」でした。夜通し寒空の下で毛布にくるまり整然と並んでいた日本のゲームファンに対し、明け方になると体格の良いブローカー集団がフェンスを乗り越え、何重にも割り込んできたといいます。店側が配置していた警備員は数名程度で、怒号と暴力的な威圧の前に完全に無力化されていました。
「整理券を配る店員に群衆が飛びかかり、店員が階段を駆け上がって逃げ惑っていた」「前の方にいた人がガラスに押し付けられてマジで死にそうになっていた」といった利用者の声が示す通り、顧客安全を担保するリテール機能は完全に崩壊。結果として警視庁丸の内警察署から多数の警察官およびパトカーが出動し、店舗入口に規制線を張り巡らせるという異例の事態に発展したのです。
当初予定されていたソニー・コンピュータエンタテインメントのトップ・久夛良木健社長(当時)らによる華々しい記念セレモニーやカウントダウンは、危険防止のため直前で中止・大幅縮小。狂乱のなか、割り込みを許されず押し潰されそうになった純粋なファンの怒りが、あの「物売るっていうレベルじゃねぇぞ!」という生々しい叫びとなって結実しました。