武蔵の強さは、打撃や関節技といった近代武術の枠組みを根底から無力化する「斬撃の意識」と「無刀の境地」にありました。作中の強さランキングにおいても、地上最強の生物・範馬勇次郎に肉薄するトップクラスに位置付けられています。
象徴的なのが、白亜紀の恐竜を素手で屠ってきたピクルとの戦闘です。ピクルの常識外れな骨密度と筋繊維に対し、武蔵は愛刀を用いて深々と斬撃を刻み込み、原始の怪物を恐怖によって敗走させました。素手喧嘩(ステゴロ)の鑑である花山薫との対決でも、花山の驚異的なタフネスと握力を認めつつ、全身を無数に切り裂いて戦闘不能へと追い込んでいます。
そして最大の山場となった範馬勇次郎との激突では、勇次郎の打撃を紙一重でかわし、無刀の斬撃を浴びせ合う超次元の攻防を展開。勇次郎に「金的蹴り」を放たせ、互いに次の一撃を繰り出そうとした刹那、本部以蔵の乱入によって中断されたため、公式な勝敗判定はドローとなりました。しかし、勇次郎を本気で警戒させ、対等に渡り合った描写は、武蔵が作中最強クラスの一角であることを決定づけました。