ブルータリズムを巡っては、ネット上を中心にいくつかの根深い誤解が存在します。正しく理解するために、その真相を整理します。
誤解①:「コンクリート打ち放し=すべてブルータリズム」である
現代の安藤忠雄氏に代表されるような、平滑でツルツルとしたシルキーな打ち放しコンクリートは、極めて洗練されたミニマリズムに属します。ブルータリズムは、骨材の露出、型枠のざらつき、粗削りな重量感といった「素材の荒々しさ(ブルート感)」を意図的に前面に出している点が本質的に異なります。
誤解②:「共産主義国家の専有物だった」という偏見
旧ソビエト連邦や東欧諸国に数多くの巨大なモニュメントや団地が残されているため「旧共産圏の建築」と短絡的に結びつけられがちです。しかし実際には、イギリス、フランス、アメリカ、日本、南米など、世界中の民主主義国家において戦後復興と公共福祉の拡大を支える中核として花開いた世界的ムーブメントでした。