この邸宅の物語を語る上で外せないのが、戦国屈指の名将として知られる初代藩主・立花宗茂の存在だ。関ヶ原の戦いで改易されながらも、その人徳と武勇によって旧領への復帰を果たした唯一の大名である宗茂の精神は、立花家の誇りとして今に息づいている。
そして現在の邸宅と庭園の原型を作り上げたのが、明治期に活躍した14代伯爵・立花寛治だ。寛治は西洋の近代建築技術と日本の伝統的な庭園美学を融合させ、一族の迎賓館としてこの地を再構築した。西洋の社交界の薫りと江戸の武家文化が交錯する独自の佇まいは、彼の高い美意識と先進的な視野の賜物である。