「日差しが眩しくないのに、なぜか肌が赤くなっている」「屋外で一日過ごしたら夕方に顔がほてっていた」。曇天の日に誰もが一度は経験するこの現象には、明確な気象学的根拠が存在します。
私たちが普段「明るさ」や「暑さ」として知覚しているのは、主に太陽光のうちの可視光線や赤外線です。厚い雲に太陽が遮られると可視光線や赤外線が減衰するため、人間の感覚としては「太陽光が弱い」と錯覚してしまいます。しかし、肌トラブルを引き起こす紫外線(UV)は波長が短く、目に見えないエネルギー波です。
アイシークリニック渋谷院やウェザーニュースが公表している観測データによると、雲が空全体を覆うドンヨリとした本曇りの日であっても、快晴時の約60〜80%の紫外線量が地上に到達しています。さらに雲が薄く太陽の位置がぼんやりとわかる「うす曇り」の状態では、地上に届く紫外線量は快晴時の約80〜90%に達します。つまり、「曇っているから紫外線をカットできている」という認識そのものが、科学的には大きな誤解です。