エジプト代表の変革を語る上で欠かせないのが、2024年に就任したホッサム・ハッサン監督の存在です。現役時代に代表通算68ゴールを挙げ、アフリカサッカー界の伝説として君臨した指揮官は、低迷が囁かれたチームに「ファラオのプライド」を叩き込みました。
ハッサン監督が敷く基本フォーメーションは堅牢な「4-3-3」または変則「3-4-3」です。最大のストロングポイントは、自陣に強固なブロックを形成し、ボールを奪うやいなやサラーやマーモウシュの超人的なスプリント力を生かして相手ゴールを陥れる電光石火のトランジション(攻守の切り替え)にあります。サッカーエジプト代表スタメンの顔触れを見ても、守備陣と中盤の底には規律あるハードワーカーを配置し、前線のタレントに自由を与える機能美が貫かれています。
自著や現地の記者会見でハッサン監督は「エジプト代表のユニフォームを着る者は、技術以前に国旗を背負う戦士でなければならない」と語り、規律と献身性を徹底。かつての外国人監督時代に見られた戦術的な迷いを一掃し、選手たちのハングリー精神を極限まで引き出しています。