日常会話で使われる「S」と「M」ですが、心理学や行動特性の観点から掘り下げると、単なる意地悪や痛がりといったステレオタイプとは全く異なる姿が見えてきます。この2つの境界線を分ける決定的な要素は、他者との関わりにおいて主導権を握りたいか、委ねたいかというコントロール感覚の所在です。
まず、サディスト性格特徴として挙げられるのは、状況や相手の感情を自分の手で動かしたいという強い欲求です。相手の反応を細かく観察し、自分の発言で相手が一喜一憂する瞬間に手応えを覚えます。これは悪意による加害ではなく、「相手の心理を把握して安心したい」という防衛本能や、リーダーシップ、完璧主義の裏返しであることが大半です。
一方、マゾヒスト心理傾向を持つ人は、相手の要求を受け入れ、尽くすことに存在価値を見出します。「相手の役に立ちたい」「期待に応えたい」という献身の裏には、責任の重圧から逃れたいという心理や、耐え忍ぶことで強烈な承認欲求を満たそうとするメカニズムが潜んでいます。相手色に染まる柔軟性を持ちながらも、我慢が限界に達すると突然関係をシャットダウンする脆さも併せ持っています。