復帰初年度のハイライトとなったのは、2024年SMBC日本シリーズでの劇的な戦いぶりだった。レギュラーシーズン3位からの下克上を果たし、パ・リーグ覇者を打ち破って日本一へと駆け上がったベイスターズのベンチで、筒香は精神的支柱として絶対的な存在感を放っていた。
異国の地で幾度も挫折を味わい、極限のプレッシャー下で培ったメンタリティは、チームの若手選手たちに絶大な影響を与えた。「打席の中で自分の間合いを崩さない」「結果ではなく準備の質にフォーカスする」。筒香がベンチで発する言葉の一つひとつが、短期決戦特有の重圧を解き放つ特効薬となった。日本一の栄冠を手にした瞬間、彼の目から溢れた涙は、アメリカでの苦闘が決して無駄ではなかったことを証明していた。