隆盛を極めた回転仕掛けの部屋は、なぜ急速に姿を消したのか。その決定打となったのは、流行の終息ではなく国家による法規制だった。
1984年、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(新風営法)が成立し、翌1985年に施行された。青少年の健全育成や風紀維持を名目に、警察庁は過度にいかがわしい設備に対して厳しいメスを入れる。その標的の筆頭に挙げられたのが、全面鏡張りの壁や天井、そして動力によって動く回転機構付きのベッドだった。
法律により、これらの設備を新設することは全面的に禁止された。既存の設備については即時撤去こそ免れたものの、「一度壊れたら修理や部品交換をしてはならない」「改装時には撤去しなければ営業許可を更新できない」という厳しい条件が課された。メーカー各社も製造から撤退し、機械の老朽化とともに一台、また一台と静かに息の根を止められていったのである。