千日回峰行のクライマックスであり、「生きた仏」になるための儀式とされるのが700日を満行した段階で挑む比叡山千日回峰行の堂入りです。明王堂に籠もり、足掛け9日間(丸7昼夜半)にわたって不飲・不食・不臥・不眠(飲まず、食わず、横にならず、眠らず)で不動明王の真言を10万回唱え続けます。
この極限状態における堂入りのトイレ事情は、人体の生理限界と綿密な宗教的儀礼が交錯する領域です。堂入り中の排泄に関する主な実態は以下の通りです。
入堂中は堂外に出ることが禁じられていますが、午前2時の「水汲み(閼伽水供養)」の際、および生理現象が発生した際には、付き添い役の僧侶(前行僧や世話人)の介添えを受けて堂内の専用トレイや定められた場所へ向かいます。ただし、水も食物も一切摂取しないため、3日目を過ぎると尿は褐色に濃縮し、やがてほとんど出なくなります。出たとしても極微量であり、便通は完全に止まるのが通常です。