これほどまでに時代を超えて愛され続ける理由はどこにあるのでしょうか。その核心には、メディアクリエイター・だんご3兄弟 佐藤雅彦氏(東京藝術大学名誉教授)が仕掛けた、緻密極まる情報デザインとクリエイティブの妙があります。
CMプランナーとして「ポリンキー」「バザールでござーる」など数々の伝説的ヒットを生み出してきた佐藤氏は、子供向け楽曲の常識を覆す手法を導入しました。それが本格的な「アルゼンチン・タンゴ」の導入です。軽快ながらもどこか哀愁漂うアコーディオンとパーカッションのリズムは、子供の耳を引きつけると同時に、大人の鑑賞にも耐えうる音楽的深みをもたらしました。
そしてもう一つの決定打が、だんご3兄弟 歌詞の秘密です。明るくコミカルな調子で歌われる兄弟の絆の裏には、逃れられない「食品としての宿命」が冷徹なまでに描かれています。
「春になったら花見だんご」「秋になったら月見だんご」と季節の風情を歌い上げながら、最終的には「しょうゆ塗られて焼かれて」「最後は自分から食べられていく」。この無常観とシュールなブラックユーモアの配合バランスこそが、大人になった元子供たちの琴線を激しく揺さぶるのです。