SNSや知恵袋等のコミュニティでは、「年収700万円台なのに貯金ができない」「生活が苦しい」という投稿が散見されます。ファイナンシャルプランナーへの相談現場や当事者の告白から見えてくるのは、構造的な「生活水準の上方硬直性」と「見栄の支出」です。
大手金融機関の資産運用相談員は現場の傾向を次のように明かしています。
「年収700万〜800万円前後の方に最も多い落とし穴が、『自分は高所得層だ』という心理的油断です。都心近郊のブランドマンション購入、毎年の輸入車維持費、子どもの中学受験や私立進学といった高額支出を同時に複数選んでしまい、気付いた時にはボーナスが出ないと毎月の赤字を補填できない自転車操業に陥っているケースが目立ちます」
また、所得制限の影響も無視できません。高校授業料実質無償化などの公的支援において、年収730万円前後は「支援対象から外れるか、受けられても減額される所得境界ライン」にかかりやすいゾーンです。手厚い公的扶助を受けられる中間所得層よりも実質的な自己負担額が増加し、可処分所得の実感が削がれる要因となっています。