浅草ロック座の館内では、いかなる理由があっても客席およびロビーでの写真・動画撮影、音声録音が固く禁止されています。スマートフォンの取り出し自体が誤解を招くため、場内ではカバンの中にしまっておくのが基本原則です。
この徹底した撮影禁止ルールには、明確な2つの理由があります。第1に、舞台上で肉体をさらして表現を行う出演ダンサーのプライバシーと肖像権の厳格な保護です。万が一にも無断撮影された画像がインターネット上に流出することは、キャストの人生やキャリアを脅かす致命的なリスクとなります。劇場側は監視カメラと専門スタッフの目視によって厳重な警戒態勢を敷いており、違反が発覚した場合はデータの即時消去および警察への通報が行われます。
第2に、客席全体の没入感を守るためです。スマートフォンの画面から漏れる光は、暗闇の中で緻密に設計された舞台照明の美しさを台無しにし、他の観客の集中力を著しく削ぎます。デジタルデバイスから完全に切り離された「ここだけの生の時間」を観客全員で共有すること。このストイックな規律があるからこそ、舞台上の幻想的な美が成立しているのです。