中学入試や高校入試の幾何問題では、あえて対角線の長さが隠されたひし形の出題が定番となっています。対角線がわからない場合、以下の3つのアプローチで切り崩します。
アプローチ1:底辺と高さから求める(平行四辺形の公式)
ひし形の1辺の長さが $8\text{ cm}$、向かい合う辺との間の垂直な高さが $5\text{ cm}$ と与えられている場合、対角線の長さを求める必要はありません。平行四辺形と同様に、単純に $8 \times 5 = 40\text{ cm}^2$ と求めるのが最短ルートです。
アプローチ2:角度と1辺の長さから求める(30°-60°-90°の直角三角形)
中学受験の難関校で頻出なのが、「1つの内角が30°(または150°)のひし形」です。1辺の長さが $10\text{ cm}$、角が30°のひし形の場合、頂点から向かいの辺に垂線を下ろすと、「30°・60°・90°」の特別な直角三角形が現れます。
この直角三角形では、斜辺と高さの比が「$2 : 1$」になる性質があるため、高さは $10 \div 2 = 5\text{ cm}$ と即座に判明します。したがって面積は $10\text{ cm} \times 5\text{ cm} = 50\text{ cm}^2$ と導けます。
アプローチ3:1辺と対角線1本からもう1本を求める(三平方の定理)
中学校の数学で「三平方の定理(ピタゴラスの定理:$a^2 + b^2 = c^2$)」を習得すると、さらに解法の自由度が広がります。
例えば「1辺の長さが $5\text{ cm}$、1本の対角線が $6\text{ cm}$」のひし形があるとします。ひし形の対角線は垂直に二等分されるため、分割された直角三角形の斜辺は $5\text{ cm}$、一方の直角を挟む辺は $6 \div 2 = 3\text{ cm}$ となります。三平方の定理より、もう一方の半分の対角線 $x$ は、
$$3^2 + x^2 = 5^2 \implies 9 + x^2 = 25 \implies x^2 = 16 \implies x = 4\text{ cm}$$
となり、全体の対角線は $4 \times 2 = 8\text{ cm}$ です。ここから面積は $6 \times 8 \div 2 = 24\text{ cm}^2$ と計算できます。