「自分はただ外見を気にしているだけなのか、それとも医療を頼るべきレベルなのか」という境界線に悩む人は少なくありません。精神医学の診断マニュアル『DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)』における身体醜形障害の診断基準は、以下の客観的指標に基づいています。
DSM-5の基準を要約すると、①他者からは認識できないか、ごくわずかにしか見えない外見上の欠陥に対して強いとらわれがあること、②そのとらわれに対して、鏡を見る、過剰に手入れをする、皮膚をむしる、他人と比較するなどの反復行動を頻繁に行っていること、③その症状によって臨床的に著しい苦痛が生じているか、社会的・職業的機能に重大な障害が出ていること、④その執着が摂食障害の体重・体脂肪の懸念ではうまく説明できないこと、の4項目すべてを満たす場合に診断が下されます。
以下の比較表は、日常的なコンプレックスと身体醜形障害の各重症度段階における行動・精神状態の相違を網羅的に整理したデータです。
自己診断の目安となる身体醜形障害のセルフチェックとしては、「鏡を見るのをやめたいのにやめられないか」「自分の特定のパーツを隠すために1時間以上メイクや準備を要するか」「他人の視線がそのパーツに集中していると確信しているか」「外見のせいで学校や職場に行けなくなった経験があるか」といった問いが挙げられます。これらに複数当てはまり、苦痛が1か月以上続いている場合は、疾患としての専門治療を考慮すべき段階です。