コンビニや飲食店では当たり前に使えるd払いが、なぜ給油所ではこれほど普及に時間を要したのでしょうか。そこには、燃料給油という特殊な販売形態に起因するシステム上の決済リスクが存在します。
通常の買い物は「金額が確定した後に決済」を行いますが、セルフ給油は「決済手段を認証した後に給油し、最終金額が決まる」という逆のプロセスをたどります。クレジットカードの場合は数万円規模の利用枠(オーソリゼーション)を瞬間的に確保することで貸倒れを防いでいますが、残高連動型のコード決済では「給油中に残高不足になるトラブル」を未然に防ぐ高度な通信制御が求められます。
給油機メーカー各社がこのリアルタイム与信とPOS連動をクリアした端末を普及させ始めたのが直近の動きであり、1台あたり数百万円に及ぶ計量器の更新コストが各特約店の重荷となっています。そのため、決済手数料と設備投資の回収を慎重に見極めるオーナー店舗ほど、バーコード決済の導入に慎重な姿勢を崩していません。