現代が抱える真の恐怖は、施設に保管された実物株の流出だけに留まらない。近年におけるバイオテクノロジーの劇的な進展は、遺伝子情報を基にゼロからウイルスを再構築する「デノボ合成」の脅威を現実のものとした。
すでに近縁のポックスウイルスが公表された配列データから実験室内で人工合成された実績があり、天然痘ウイルスのゲノムデータもデジタルデータベース上に公開されている。悪意ある第三者や国家規模のバイオテロリストが、高度な実験機器と合成技術を用いてウイルスを復活させる「テロリスク」が、2026年の安全保障における最重要課題として浮上しているのだ。