映画ファンの間で熱い議論を呼んでいるのが、その卓越した演出スタイルだ。日常の機微や沈黙の重みをすくい取る手法は是枝裕和の撮る骨太なヒューマンドラマを彷彿とさせ、一方で少年少女の感情が疾走するクライマックスの爆発力は、細田守の金字塔『サマーウォーズ』が放ったあの圧倒的な夏のエナジーを受け継いでいる。
静と動の極端なコントラスト。淡々とした日常の会話劇の奥底で、登場人物たちの葛藤がマグマのように煮えたぎる。是枝裕和作品が持つ静謐なリアリズムと、細田守監督が描く夏特有のダイナミズムが奇跡的なバランスで融合したことで、老若男女を問わず感情を揺さぶる傑作ヒューマンドラマが完成した。