芭蕉と空海が息づく奈良天理の秘境瀑布、深林に眠る聖域を歩く

芭蕉と空海が息づく奈良天理の秘境瀑布、深林に眠る聖域を歩く

芭蕉と空海が息づく奈良天理の秘境瀑布、深林に眠る聖域を歩くの総合ガイドをご紹介します。最新トレンドが満載です。

桃尾の滝を語る上で欠かせないのが、真言宗の開祖・空海(弘法大師)の存在だ。伝承によれば、若き日の空海がこの滝に籠もり、密教の秘法を修めたと伝わる。滝壺の左岸、湿り気を帯びた巨大な岩壁を見上げると、そこには不動明王を中尊とする三尊連座の磨崖仏が彫り込まれている。

鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて彫られたとされるこの石仏群は、雨風に晒されながらもなお、鋭い眼光を失っていない。修験道の実践者たちが滝に打たれ、己の雑念を削ぎ落とした場所。その厳格な祈りの気配は、数百年の歳月を経た現在でも周囲の空気をピンと張り詰めさせている。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。