酒鬼薔薇聖斗の本『絶歌』の真相と現在|印税の行方と遺族の叫びを追う

酒鬼薔薇聖斗の本『絶歌』の真相と現在|印税の行方と遺族の叫びを追う

酒鬼薔薇聖斗の本『絶歌』の真相と現在|印税の行方と遺族の叫びを追うに関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。

日本中を恐怖に陥れた神戸連続児童殺傷事件の元少年Aが、自らの言葉で手記を執筆・出版した背景には、複数の出版社との接触と、出版界のタブーをめぐる水面下の攻防がありました。この出版劇は、表現の自由の行使という美名の裏で、被害者感情を極限まで踏みにじる形で進行していったのです。

関係各社の証言によると、当初、少年A側は大手出版社の幻冬舎に見本原稿を持ち込み、刊行の打診を行っていました。しかし、同社の見城徹社長(当時)は、遺族への承諾が取れていない点、手記の文面から真摯な悔悟や更生が感じられない点を重く見て、最終的に出版を断念しました。その後、サブカルチャーや先鋭的な社会派ノンフィクションを多数手がけてきた太田出版がこの原稿を引き受け、極秘裏に出版プロジェクトが進められることになります。

2015年6月10日、太田出版から『絶歌』が刊行された日、被害者である土師淳君(当時11歳)や山下彩花ちゃん(当時10歳)の遺族のもとには、事前の相談も承諾願いもなく、ただ出版された完成本だけが一方的に送り付けられました。太田出版の当時の編集担当者は「少年犯罪の真相と加害者心理を社会に共有し、再発防止に寄与する公益性がある」と出版の正当性を主張しましたが、事後承諾すら拒否する一方的な手法は、全国規模の猛烈な批判を浴びることとなりました。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。