見た目は巨大なニンニクそのものだが、分類学の視点を向けると非常に興味深い真実が浮かび上がる。じつはジャンボニンニク、一般的なニンニク(Allium sativum)の直系ではなく、地中海原産の西洋ネギとして知られるリーキ(Allium ampeloprasum)の近縁種なのだ。
近代遺伝学の父グレゴール・メンデルがエンドウ豆の実験で遺伝の法則を解き明かして以来、植物の品種改良や選抜の歴史は大きく進展してきた。ジャンボニンニクもまた、ニンニクに酷似した大球をつける突然変異体や特定系統が、永い年月をかけて選抜・栽培されてきた進化の産物といえる。
風味の構造にも独特の魅力がある。一般的なニンニクの強烈なパンチを生み出す刺激成分アリシンの含有量が、ジャンボニンニクでは非常に少ない。そのため食べた後の口臭が気になりにくく、加熱するとホクホクとした上品な甘みが際立つのだ。