現在、皇位継承順位の筆頭として国内外の重要行事に臨むその役割は、事実上の皇太子と同等、あるいはそれ以上の重責を伴う。全国各地への行啓、学術・文化振興にまつわる総裁職の務め、そして国賓接遇。スケジュール帳は数ヶ月先まで隙間なく埋まり、息をつく暇もない。
「表舞台での穏やかな立ち居振る舞いからは想像もつかないほど、準備に注がれるエネルギーは膨大です」。ある宮内庁幹部は声を潜めて実情を明かす。「事前資料の読み込みは極めて綿密で、専門家への質問も本質を突いたものばかり。皇位継承問題に関する国会側の議論が停滞するなかでも、皇族としての務めを一日たりとも疎かにしないという強烈なプロフェッショナリズムを感じます」。
象徴としての務めを果たす天皇陛下を支えつつ、自らも次世代への橋渡し役を担うという二重のプレッシャー。現場の職員たちは、張り詰めた緊張感とともにその背中を見守り続けている。