エアフレームメンテナンスビルの正体とは?羽田の現場と見学実態

エアフレームメンテナンスビルの正体とは?羽田の現場と見学実態

エアフレームメンテナンスビルの正体とは?羽田の現場と見学実態についての真相をお届けします。

空港の敷地内でひときわ目立つエアフレームメンテナンスビルとは、一言で表せば「航空機の骨格(エアフレーム)を徹底的に治療する総合病院」です。旅客機におけるエアフレームとは、主翼、胴体、尾翼、降着装置(ランディングギア)など、飛行を成立させる構造体そのものを指します。エンジンや電子機器といった個別のコンポーネント整備とは異なり、機体丸ごとを巨大な空間に格納し、大がかりな分解・修繕を行う役割を担っています。

建物の最大の特徴は、ボーイング777や787といったワイドボディの大型機が複数機同時にすっぽり収まる、柱が1本もない巨大な無柱空間です。一般的なビル建築とは根本的に設計思想が異なり、屋根全体を巨大なトラス構造で支えることで、大開口部のスライドドアから機体をスムーズに引き入れられる設計になっています。内部には機体の形状に合わせて上下・左右に稼働する専用足場(ドック)が張り巡らされ、整備士が地上数十メートルの高所から機首、尾翼の頂部まで安全にアクセスできる立体構造が構築されています。

航空機の整備には、フライトの合間に行う数時間の「運航整備(ライン整備)」と、数週間から1カ月以上かけて機体を徹底的に分解・非破壊検査する「機体整備(ドック整備)」が存在します。エアフレームメンテナンスビルは主に後者の重要拠点であり、目に見えない金属疲労や腐食、リベット1本の緩みも見逃さない緻密な作業が日々繰り広げられています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。