刑事施設は「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(刑事収容施設法)」に基づいて厳密に区分・管理されています。私たちがひとくくりにしがちな刑事施設ですが、法律上は主に「拘置所」「刑務所」「少年刑務所」の3種類に大別され、さらに警察署内に置かれる「留置場(代用刑事施設)」が捜査初期の身柄確保を担っています。
最大の違いは、収容されている人物の「身分」と「収容目的」にあります。
拘置所に収容される主たる対象は、逮捕・起訴された後、まだ刑事裁判の確定判決を受けていない「未決勾留者(みけつこうりゅうしゃ)」です。近代司法の大原則である「無罪推定の原則」が働くため、懲罰や教育を受ける立場ではなく、あくまで「逃亡の防止」と「罪証隠滅(証拠隠滅)の防止」を理由に身柄を拘束されています。そのため、身辺の自由は制限されるものの、後述するように刑務作業などの労働を強いられることはありません。
対照的に、刑務所へ収容されるのは裁判によって有罪判決が確定した「受刑者」です。法的身分が容疑者・被告人から「罪を償い、社会復帰を目指す受刑者」へと切り替わり、施設側の主目的も改善更生と教育、規則正しい規律訓練の実施へと移ります。