酸素ボンベ残量計算の公式&早見表|搬送時の酸素切れを防ぐ現場の鉄則

酸素ボンベ残量計算の公式&早見表|搬送時の酸素切れを防ぐ現場の鉄則

酸素ボンベ残量計算の公式&早見表|搬送時の酸素切れを防ぐ現場の鉄則の注目されている理由をコンパクトにまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

医療安全学において広く知られる「スイスチーズモデル」が示す通り、重大な医療事故はいくつもの不運や見落としの穴が一直線に重なったときに発生します。「残量が少なめのボンベを選んでしまった」「検査の呼び出しが遅れた」「エレベーターが点検中だった」という些細な事象が連鎖した結果、酸素切れという致命傷に発展するのです。

このチーズの穴を塞ぐために、日本国内の先進的な医療機関で徹底されている鉄則が「搬送所要時間に対する2倍マージンの確保」です。

【安全マージンの判断基準】
必要な酸素残量時間 ≧ 予定される搬送・検査待機時間 × 2

例えば、病棟から地下の放射線部へ往復し、検査を終えて戻るまでの全行程を「30分」と見込むのであれば、最低でも「60分以上」使用可能なボンベを選択しなければなりません。流量が3L/分であれば、60分を維持するためには180L(3.4Lボンベで残圧約5.3MPa以上)が必要となります。もし残圧が5MPaを下回っている場合は、どんなに「すぐ終わる検査」であっても、出発前に満充填ボンベへ交換するか、予備のボンベをストレッチャーに積載して出発するのが鉄則です。

最後に、現場でボンベを選ぶ際のおすすめ条件と、使用を避けるべき判断基準をまとめます。

【そのまま搬送に使用してよい条件】
・圧力計の指示値が10MPa以上を示している
・往復所要時間の2倍以上の残量時間が確保されている
・ボンベ元栓が一度全開にされ、半回転戻されている(固着防止)
・接続チューブに屈曲や亀裂がなく、流量計のフロート(浮子)が指示値通りに安定して浮いている

【絶対に使用を避けるべき・即交換の条件】
・残圧が3.0MPa以下(レッドゾーン域)に入っている
・高流量投与(5L/分以上)で搬送時間が30分を超える見込みであるにもかかわらず、満充填ボンベ(14.7MPa)が用意されていない
・圧力計のガラス面に曇りや破損があり、目盛りを瞬時に判読できない
・流量調節ダイヤルを回してもフロートの動きが鈍く、ガス漏れの異音(シューという音)がする

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。