2005年の年間オリコンシングルチャートで第2位を記録し、ケツメイシ最大のヒット曲となった背景には、音楽的構造と映像の完璧なシナジーがありました。
ケツメイシ「さくら」大ヒットの理由を紐解くと、当時のJ-POPシーンにおける「ヒップホップ×歌謡メロディ」の到達点であったことが分かります。RYO、RYOJI、大蔵によるリズミカルでありながら哀愁を帯びたライミングと、サビで一気に感情を解き放つRYOJIのエモーショナルなボーカルワーク。そこに描かれたケツメイシ「さくら」歌詞とストーリーは、誰もが経験する「過去の恋人への未練」と「散りゆく桜の無常観」を重ね合わせた普遍的なものでした。
萩原聖人演じる主人公がふとした日常の中で過去の記憶を呼び覚まし、そこに現れては消える鈴木えみの幻影。歌詞の行間にある切なさを、2人の抑制された演技が補完したことで、単なるタイアップ曲の枠を超えたエバーグリーンな作品として人々の記憶に刻み込まれました。