YouTubeの歴史において、すべての起点となった動画が「Me at the zoo」です。投稿日時は太平洋標準時(PST)2005年4月23日 20時31分52秒(日本時間:2005年4月24日 12時31分52秒)。登録されたアカウント名は、投稿者本人のファーストネームである「jawed」でした。
撮影場所は、アメリカ・カリフォルニア州にある世界有数の規模を誇るサンディエゴ動物園(San Diego Zoo)のエレファント・オデッセイ(象の飼育エリア前)です。画面に映る青いウィンドブレーカーを着た青年こそが、当時25歳だったYouTube共同創業者の一人、ジョード・カリム(Jawed Karim)氏です。撮影を担当したのは、カリム氏の高校時代からの友人で、のちにデラウェア大学の教授となるヤコフ・ラピツキー(Yakov Lapitsky)氏でした。
映像の全容は、以下のとおり極めて素朴かつ短編な構成となっています。
【「Me at the zoo」全編スクリプト日本語訳】
「さて、僕たちは今、象の前にいます。こいつらの凄いところは、本当に、本当に、本当に長い鼻を持っていることです。とてもクールですね。言いたいことは、まあこれだけです」
(原文:"Alright, so here we are in front of the elephants. The cool thing about these guys is that they have really, really, really long trunks, and that's, that's cool. And that's pretty much all there is to say.")
派手なBGMやテロップ、サムネイルの工夫は一切ありません。象の長い鼻について一言コメントし、わずか19秒で唐突に終わるこのクリップこそが、動画共有という新たなメディア文化の産声を上げた瞬間でした。当時の開発チームは、動画が正常にサーバーへアップロードされ、ブラウザ上のFlashプレーヤーで再生できるかを検証するためのテストとしてこの映像を使用しました。