緑の瓶でおなじみの韓国焼酎(ソジュ)「チャミスル」や「チョウムチョロム」を飲む際にも、日本とは決定的に異なる独自ルールが存在します。
なぜお酒を「注ぎ足す」と怒られるのか?
日本の宴会では、相手のビールグラスが半分ほど減ったら「どうぞどうぞ」と注ぎ足すのが気配りとされます。しかし、韓国ではこれが全く通用しません。韓国酒席でお酒を注ぎ足さない理由には、明確な文化的タブーが存在します。
韓国では、グラスにお酒が残っている状態で注ぎ足す行為を「チュルジャン(出杯/注足)」と呼び、故人を供養する法事(祭祀=チェサ)でお供えするお酒の作法を連想させるため、非常に縁起が悪いと嫌われます。また、「相手が今どれくらい飲んだかを分からなくさせ、無理に飲ませようとしている」と捉えられることもあります。韓国では「グラスが完全に空になってから注ぐ」という完全空杯の原則が徹底されています。
瓶の底を叩く?進化するチャミスル乾杯ルール
若者を中心に親しまれるチャミスル乾杯ルールにも面白い儀式があります。かつては製造技術の都合で沈殿物を混ぜるため、瓶の底を肘で叩いて強い竜巻(トルネード)を起こし、首の部分を指先で弾いてから開栓するパフォーマンスが流行しました。現在の焼酎は不純物が除去されているため実質的な意味はありませんが、場の空気を盛り上げる余興として今なお親しまれています。小さな専用のソジュ杯(ショットグラス)に注がれた透明な焼酎を掲げ、「ッチャン!」と合わせて口に運ぶのが基本スタイルです。
「ワンショット文化」の真相と近年の劇的な変化
かつての韓国といえば、グラスを空にするまで一気に飲み干す「韓国ワンショット文化の真相(ワンショット=원샷)」が有名でした。しかし、近年の韓国社会ではハラスメント意識の高まりや健康志向の浸透により、無理な一気飲みを強要する悪習は急速に姿を消しています。現在の20代〜30代の間では「マシヌン マンクム(飲める分だけ)」「チョンチョニ(ゆっくり)」という個人のペースを尊重するスタイルが定着しており、一口ずつ味わって飲むことがごく自然に受け入れられています。