公園や庭園を見渡すと、あずまやによく似た屋根付きの構造物が存在します。特に混同されやすい「ガゼボ」「パーゴラ」、そして歴史的建造物に冠される「亭(てい・ちん)」との間には、設計思想から機能面に至るまで明白な違いが存在します。
あずまやとガゼボの違いは、外観の幾何学性と閉鎖性に現れます。ガゼボはヴィクトリア朝の西洋庭園などにみられる六角形や八角形の平面が主流で、腰壁や繊細なアイアンワークの手すり(バラスター)が周囲を囲むことが多く、庭の中に置かれた独立した小部屋のような独立性を帯びます。これに対し、あずまやは四角形を基本とし、手すりを設けず地面から滑らかに視線が抜ける開放感を重視します。
東屋とパーゴラの違いは、屋根本来の機能にあります。パーゴラはイタリア語で「ぶどう棚」を指す言葉であり、柱の上に組まれた桁や梁(ルーバー)は植物を絡ませるための棚にすぎません。後付けでポリカーボネート板などを貼らない限り雨を遮ることはできず、木漏れ日を楽しむための日陰づくりが主目的となります。
東屋と亭の違いは、規模と建築の格付けです。「亭」は中国庭園の涼亭や日本の名勝庭園にある観月亭・茶亭のように、高台に築かれて遠景を望む楼閣を指すことが多く、あずまやよりも大規模で、ときに建具(障子や格子戸)を備えて独立した家屋に近い性格を持ちます。あずまやは、これらの中で最もシンプルかつ自然との境界が薄い空間構造を誇っています。