SNSや大手掲示板、Q&Aサイトを調査すると、「マナビスの自宅受講を始めた途端にペースが落ちた」「受講消化が滞って親と大喧嘩になった」といったリアルな告白が数多く見受けられます。なぜ、多くの高校生が自宅受講でサボってしまうのでしょうか。
教育心理学および行動経済学の観点から分析すると、この現象は生徒個人の「根性の欠如」ではなく、環境設計と心理的メカニズムの不一致によって引き起こされています。
第一に挙げられる要因は、「心理的バウンダリー(境界線)の曖昧化」です。学校や予備校の校舎は「学習を強制する空間」として脳にインプットされていますが、自室は睡眠、休息、娯楽を司るリラックス空間です。スマートフォンやゲーム機、ベッドといった強力な誘惑が数メートルの距離に存在する環境下では、意志の力だけで90分間の高度な集中を維持することは極めて困難です。
第二に、「先延ばし(プロクラスティネーション)」の常態化です。校舎受講の場合、「予約した時間に登校しなければならない」という対人的な約束が存在します。一方、自宅受講は「いつでも受講できる」という自由度の高さが裏目に出て、「夕食後にやろう」「明日の朝に回そう」という無意識の繰り延べが発生しやすくなります。結果として月末に未消化講座が山積みとなり、挫折感を深めていく悪循環に陥ります。
ある大手進学情報コミュニティに寄せられた現役合格者の手記には、次のような生々しい言葉が残されています。
「自宅受講に切り替えた最初の2週間は移動時間が浮いて最高だと思っていた。しかし、途中で動画を止めてスマホを見る癖がつき、90分の講座に2時間半かかるようになった。担当アドバイザーからの催促連絡が精神的なプレッシャーになり、最終的には校舎通いに戻すことで立て直した」
このように、「自由度の高さ」は「自己規律の要求レベルの高さ」と表裏一体であることを認識しておく必要があります。