2020年8月、作品は突如として連載打ち切りという結末を迎える。原作者の不祥事という、作画担当者にとっては抗いようのない事態によって、物語はクライマックスを目前にしながら暗転した。ファンはもちろんのこと、宇佐崎しろ氏の才能を熱烈に支持していた多くの同業者やクリエイターにとっても、そのショックは計り知れないものだった。
単行本の発行停止や関連グッズの回収など、作品を取り巻く環境は一気に冷え込んだが、宇佐崎氏の描いた「絵そのものの価値」が衰えることはなかった。SNS上では世界中の読者から作画担当者への励ましと賛辞が相次ぎ、打ち切りから年月が経過した今なお、彼女の描いた夜凪景のビジュアルは「演劇漫画史における屈指の名表現」として語り継がれている。途絶えた連載ではあったが、宇佐崎氏が刻んだ足跡は消えることがない。