編集部が梅田地下街で現地調査を実施し、乗り換えに戸惑う歩行者の動線追跡および利用者への聞き取り調査を行ったところ、多くの人が共通の「トラップ」に嵌まっている実態が浮き彫りになりました。
大手ネット掲示板やSNS、知恵袋の投稿を分析すると、「御堂筋線の中央改札から出てしまい、阪急百貨店と阪神百貨店の間の広大な広場に出てしまって東西の感覚を失った」「案内板に『東梅田』と書いてあるのに矢印が斜め上を指していて、地上に出ろという意味かと勘違いした」という声が多数を占めます。実際に現地を取材した際も、中央改札前の円柱群の前でスマートフォンを片手に立ち止まり、頭上の案内マップを不安げに見上げる旅行者の姿が頻繁に確認されました。
ある地方からの出張者は、「仕事で谷町線沿線の官庁街に向かう途中、梅田駅で一番大きそうだった北改札から出てしまった。地下通路を案内通りに進んだつもりが、いつの間にかJR大阪駅の連絡橋の下に出てしまい、最終的に地上に出てナビアプリを見ながら歩いたら15分以上かかった」と語っています。
現場観察で判明した迷走の主原因は、「案内サインの情報過多」と「人の流れへの同調バイアス」です。朝夕のラッシュ時、梅田駅南改札を出た利用者の大半はJR大阪駅や阪神梅田本店、あるいは阪急方面へと分岐して散らばっていきます。谷町線を目指す歩行者が周囲の通勤客の流れに無意識に合わせて歩いてしまうと、自然と本線ルートから外れ、百貨店の地下エントランス前や別の地下街通路へと流されてしまうのです。