マレーシアはマレー系(約70%)、中華系(約23%)、インド系(約7%)で構成される複合民族国家です。都市部では英語が事実上の共通語として機能しており、Grab(配車アプリ)のドライバーや屋台の店員とも英語で十分にやりとりが完結します。
しかし、実際のマレーシア旅行の会話において、英語だけで済ませる場合と、マレー語の挨拶を交える場合とでは、相手の対応に明確な差が生じます。現地駐在員や長期滞在者の間でも、「会計の最後に『Thank you』ではなく『Terima kasih』と言うだけで、店員の表情がほころび、おまけをしてくれたり気さくに声をかけてくれたりする」という声が定着しています。
また、現地で話されるマレー語混じりの英語「マングリッシュ(Manglish)」の環境下でも、「Terima kasih」は民族の垣根を越えて共有される普遍的な敬意の言葉として尊重されています。中華系の食堂(ホーカーセンター)やインド系カレー店(ママック)でも、感謝の言葉としてマレー語を使うことは完全に定着しており、旅行者が使って不自然がられることは一切ありません。