改札を抜けて一歩足を踏み入れると、そこには1960年代の夕暮れ時の街並みが広がる「夕日の丘商店街」が広がります。看板の錆びやトタンの質感、電柱の張り巡らされ方に至るまで徹底的なエイジング加工が施され、単なる映画のセットを超えた本物の生活感が漂っています。
この街を特別なものにしているのが、警察官や魚屋、喫茶店の店主たちによるライブパフォーマンスです。突如として路上で始まるアクロバティックな泥棒劇や歌謡ショーに巻き込まれ、観客自身が商店街の「お隣さん」として物語の一部に組み込まれていきます。「喫茶ビクトリヤ」のクリームソーダや、精肉店の揚げたてコロッケを頬張りながら散策する時間は、デジタル疲れした現代人の心に心地よい郷愁を呼び覚まします。
そして、静かな情緒と凄まじいコントラストを放つのが、丘の上に鎮座する「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」です。山崎貴監督が手掛けた大迫力の映像と連動するフライト型ライドは、既存の国内アトラクションの常識を覆す完成度を誇ります。息つく暇もなく展開する大怪獣同士の激突に放り込まれ、体感する重力や熱風、水しぶきは圧巻の一言。「これに乗るためだけに西武園ゆうえんちへ行く価値がある」と絶賛されるのも頷ける仕上がりです。