16年近くにわたり高視聴率を誇った長寿番組は、なぜ1992年に幕を閉じることになったのか。その終了理由の真相には、司会者・大橋巨泉氏の美学とテレビ界の構造変化がありました。
最大の転機は1990年3月、巨泉氏が56歳を迎えたタイミングで行った「セミリタイア宣言」に伴う番組降板です。巨泉氏は「番組が絶頂期のうちに後進に道を譲り、自らの人生を豊かに過ごしたい」という確固たるポリシーのもと、司会を徳光和夫アナウンサーへバトンタッチしました。
後任の徳光氏も持ち前の温和な人柄で番組を支えましたが、巨泉氏が持っていた「解答者を競馬馬に見立ててイジり、絶妙なサジ加減でオッズをコントロールする毒舌と緊迫感」という独自のグルーヴを完全に再現することは困難でした。さらに1990年代初頭は、演出過多な新世代クイズ番組やバラエティが台頭し始めた過渡期でもありました。視聴率が10%前後に落ち着いた1992年末、最終回には巨泉氏が特別に司会へ復帰し、徳光氏が5枠の解答者に回る形で、伝説の番組は自ら有終の美を飾ったのです。