この潮流の震源地を辿ると、日本固有のオタクカルチャーに行き当たる。半世紀の歴史を刻むコミックマーケットの現場で、2次元キャラクターの非現実的なプロポーションを現実世界に具現化しようとしたコスプレイヤーたちの情熱だ。布のテンション、ワイヤーの仕込み、重力に逆らう特殊テープの活用――現場の試行錯誤が、かつて存在しなかった衣装工学を生み出した。
いまやその技術と美意識は、海を越えてハイファッションの世界へと越境している。欧米のコレクションでも、胸元を覆いながら肋骨周りを大胆に露出するアンダーバストファッションが定番の選択肢となった。サブカルチャー発祥のコスプレカルチャーが持つ造形美が、現代モードのシルエットを根本から書き換えつつある。