撤去のニュースが流れるたび、SNS上で必ず話題に上るのが「夜になると校庭を走り回る」「図書室に本を返しに行く」といった、いわゆる学校の七不思議・都市伝説だ。なぜこれほどまでに特定の像に怪談が集中したのだろうか。
民俗学や都市文化の研究者に話を聞くと、その理由は彫刻が持つ「静と動のギャップ」にあるという。日中は子どもたちが活発に動き回る校庭の真ん中で、ただ一人じっと本を読み続ける異質な存在。薄暗い放課後、二宮像の影が長く伸びるとき、子どもの想像力は容易に怪奇現象を創り出す。また、夜間の校内見回りを行う警備員や教員が目撃したという噂が尾ひれをつけて語り継がれ、全国共通の怪談へと昇華していったのだ。