多国籍な露店や鮮魚店が軒を連ねる上野アメ横は、日本における異文化グルメの実験場であり続けた。ここ数年で一気に加速したのが、日本人の好みに寄せない本場そのままの味を提供する「ガチ中華」の台頭だ。従来の町中華とは一線を画す、圧倒的な現地感と重厚なスパイス使いが若い世代を中心に支持されている。
この現象は日本の外食産業全体にも大きな波紋を広げている。単なる「辛い料理」のブームではなく、本物の食文化を体験したいという消費者の欲望がインフラを動かしているのだ。上野という土地が持つダイナミズムと寛容さが、本格的な食のトレンドを育む絶好の土壌となっている。