老舗ホテルの閉館に際しては、インターネット上で「倒産したのではないか」「経営難で夜逃げ同然に潰れたのでは」といった無責任な憶測が散見されることがあります。しかし、大分センチュリーホテルに関しては、経営破綻による法的整理ではなく、将来を見据えた計画的な自主廃業・解散であったという事実が決定的に重要です。
運営会社は、取引先への支払いや従業員の退職手続き、再就職支援などを誠実かつ整然と遂行しました。老舗企業としての責任を果たし、債務超過に陥って周囲に多大な損害を与える前に幕を引くという決断は、地域経済への配慮と矜持に基づいたものです。
「赤字に耐えかねて潰れた」という短絡的な見方は誤りであり、地方中核都市の独立系老舗ホテルが、時代の変化と耐震基準の厳格化という構造的課題に対して、最も誠実な形で自ら引いたピリオドだったと評価するのが業界関係者の一致した見解です。