大宮のランチシーンを語る上で外せないのが、東口の路地裏に鎮座する「伯爵邸」をはじめとするレトロ喫茶や老舗洋食店です。特に元祖として知られる大宮ナポリタン発祥の系譜を継ぐ店舗には、平日のランチタイムを過ぎた14時以降でも途切れず列が形成されています。単なるノスタルジーではなく、豚骨やケチャップを絶妙に煮詰めた濃厚な味付けと、総重量500gを超える並外れたボリューム感が、舌の肥えたリピーターを惹きつけて離しません。
一方で、現地を取材すると「SNS映えだけを目当てに行くと痛い目を見る」という声も聞こえてきます。客席間のスペースが狭く、相席になるケースも珍しくありません。ゆったりと静寂を求める人にとっては、どれほど味が優れていても居心地の面で好みが分かれます。名店が行列を作る背景には、確固たる個性と圧倒的な満足感がある反面、割り切るべき利用環境が存在しているのが大宮の真実です。