恵まれた血統とスカウトという華々しいスタートを切った京本大我でしたが、入所後に待ち受けていたのは「二世」という重く冷酷なレッテルでした。
ジャニーズJr.(現・ジュニア)として活動を始めた当初、同年代の仲間や先輩たちから「京本の息子だから前列に立てるんだ」「親のおかげで優遇されている」という陰口を叩かれる日々が続きました。当時のインタビューや雑誌の手記において、彼は「名刺代わりに父の名前を出されるのが死ぬほど嫌だった」「父親の名前を汚してはいけないというプレッシャーで押し潰されそうだった」と当時の苦悩を赤裸々に吐露しています。
そのコンプレックスから脱却するため、大我は過酷な茨の道を選択しました。歌唱力を磨くために個人でボイストレーニングに通い詰め、ダンスの基礎を徹底的に叩き直す日々を重ねたのです。その転換点となったのが、2015年に上演された名作ミュージカル『エリザベート』のルドルフ役でした。このオーディションにおいて、彼は自らの意志で応募し、演出家ミヒャエル・クンツェ氏や小池修一郎氏らの前で歌唱審査を受け、親の威光とは一切関係のない実力勝負で大役を勝ち取ったのです。
入所した2006年から、SixTONESとしてCDデビューを果たした2020年1月までの期間は、実に約14年間(通算5000日以上)に及びます。ジュニア歴としては異例の長さであり、この数字こそが彼が親の力によるファストトラック(近道)を歩まず、実力だけで階段を一段ずつ這い上がってきた証左と言えます。