「不言実行(ふげんじっこう)」とは、「あれこれ理屈や宣言を口にせず、黙ってなすべきことを実行すること」を指す四字熟語です。口先だけで中身が伴わない態度を戒め、行動とその成果で自らの価値を証明する実直な姿勢を表します。
この言葉の語源を遡ると、中国の古典『論語』に記された儒教の精神に行き着きます。『論語』里仁編には「君子は言に訥(とつ)にして、行いに敏ならんと欲す(立派な人物は、口数は少なく慎み深くあり、行動は素早くありたいと望む)」という教えがあります。古来の東洋思想において、言葉数を減らして行動を先立たせることこそが、成熟した大人の美徳とされてきました。
なお、対比される「有言実行」は、「不言実行」をもとにして昭和期に作られた比較的新しい造語です。歴史の長さと重みという観点では、不言実行のほうが遥かに長い歴史を持ち、日本人の職人気質や誠実さの象徴として受け継がれてきました。