あさりの砂抜きで失敗する最大の理由は、「あさりがリラックスして呼吸できる環境」を作れていない点にあります。市販のあさりは流通段階である程度砂抜きされていますが、内部の砂袋や殻の隙間には依然として細かな砂が潜んでいます。砂が残ってしまう家庭での代表的なミスは以下の3点です。
第一に、ボウルなどの丸底容器に直置きしてしまうことです。あさりが一度吐き出した砂は容器の底に沈みます。底が丸いボウルであさりを重ねて置くと、底に溜まった砂を別のあさりが再び吸い込んでしまいます。平底のバットに「足つきのザルや網」を重ね、あさりが底から浮いた状態を作ることが必須です。
第二に、水深が深すぎるケースです。あさりが完全に水没するほど水を張ると、息ができずに窒息状態に陥り、殻を閉ざして砂を吐かなくなります。水面の高さは「あさりの頭がわずかに水から出る程度(ひたひた)」がベストです。
第三に、温度と光の環境です。あさりは本来、冷たい海底の砂の中に潜んで生息しています。明るいキッチンや室温が高すぎる場所(25度以上)に置くと活動が鈍り、場合によっては腐敗の原因にもなります。適温は15〜20度前後の涼しい環境です。