愛媛県の有名な食べ物徹底網羅!2大鯛めしの違いと地元民が推す名物

愛媛県の有名な食べ物徹底網羅!2大鯛めしの違いと地元民が推す名物

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取材の現場で多くの県外客が直面するのが、愛媛の味付けの基調を成す「圧倒的な甘み」に対する戸惑いです。特に松山市を中心とする中予地方の食文化において、甘さは豊かさと歓待の象徴として長年受け継がれてきました。

その象徴が、銀天街の路地に佇む松山鍋焼きうどんの老舗「ことり」と「アサヒ」です。使い込まれて歪んだアルミ鍋の蓋を開けると、牛肉、油揚げ、ネギが乗り、伊予特有の柔らかなうどんが顔を出します。一口すすると、いりこと利尻昆布の出汁とともに、砂糖とみりんの強い甘みが口いっぱいに広がります。讃岐うどんの強烈なコシとイリコの塩気を期待して訪れた観光客の中には、「想像以上に甘くて柔らかい」と驚く声がSNS上でも散見されます。

しかし、愛媛名物に対する地元民の反応を丹念に追うと、この甘口出汁こそが幼少期から刷り込まれた「原風景の味」であることが分かります。戦後の物資不足の時代、貴重だった砂糖をふんだんに使うことは最上の贅沢であり、客人を丁重にもてなす誠意の証でした。地元の人々は、卓上の七味唐辛子を多めに振り、いなり寿司(これも愛媛特有の甘口仕上げ)を頬張りながら、鍋の底が見えるまで出汁を飲み干します。この甘みへの理解こそが、愛媛の深層食文化に触れる鍵となります。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。