近年、女子アスリート かわいいという称賛が過剰になるあまり、選手たちを取り巻く環境には看過できない歪みも生じています。最大の問題は、本人の意図しないアングルからの盗撮や、性的な意図を持った画像・動画のネット拡散です。
日本オリンピック委員会(JOC)をはじめとするスポーツ各団体は、悪質な撮影行為に対する取り締まりを強化してきました。競技用ウェアの開発においても、赤外線カメラによる透けを防ぐ特殊素材の導入や、機能性と露出度のバランスを見直す動きが急速に進んでいます。選手自身が「女性らしさや美しさを楽しむ権利」と「性的な消費から尊厳を守られる権利」は完全に両立されるべきものであり、両者を混同した議論は本質を見誤らせます。
「見た目ばかりが評価されて本質が見られていない」というメディアへの不満を抱える選手がいるのも事実です。過去のインタビュー取材において、ある陸上選手は「どれだけ努力して自己ベストを更新しても、翌朝のスポーツ紙のヘッドラインが『美貌のハードラー』だったときの虚しさは忘れられない」と本音を漏らしていました。外見をきっかけにスポーツのファンになること自体は否定されるべきではありませんが、メディア側が過度にセンセーショナルな形容詞に頼りすぎる姿勢は、選手の競技人生に対するリスペクトを欠いた危険な偏向報道と言わざるを得ません。