ドラマのプロットを表面上だけでなぞると、「音信不通の恋人を2年も待つ古風な女性が、強引なスポーツマンに口説かれて揺れ動く」という、やや古めかしい受け身の物語と捉えられがちです。ネット上の一部レビューでも「今の時代にはマッチしない依存的なキャラクターなのではないか」といった指摘が見受けられます。
しかし、劇中のディテールを綿密に分析すると、その解釈が誤解であることが分かります。亜樹が待っていたのは単に男性そのものではなく、「かつて自分が捧げた真剣な想いに対する誠実さ」でした。彼女は自身の信念を裏切らないために待つという選択を能動的に下しており、ハルとの関係においても、都合のいい相手として流されることは決してありませんでした。
自分の心に嘘をつかないために葛藤し、傷つく覚悟を持って答えを選び取る。竹内結子は、芯の強さを誇示することなく、柔らかな微笑みの中に揺るぎない覚悟を宿らせることで、亜樹を「誰よりも自立したプライドを持つ女性」として成立させていたのです。