問題の本質をさらに深刻にしているのは、プラットフォーム側のインセンティブ構造だ。アテンション・エコノミーのもとでは、理性的で平穏な言説よりも、過激で攻撃的な感情の方が圧倒的に拡散されやすい。大手メディアやキュレーションサイトもまた、PV数を稼ぐために過剰なバズを煽り、炎上案件をコンテンツとして再消費する暴走に加担している。
人々は「不正を許さない道徳的市民」という大義名分に酔いしれ、画面の向こう側にいる生身の人間が存在することを容易に忘れてしまう。正義の名を借りた私刑は、一度始まれば誰も止めることができない巨大な雪だるまとなって転がり続ける。