健康な株を仕立て直す「ゼラニウム切り戻しと挿し木」は、同時並行で行うのが最も効率的です。初夏前や秋口に間延びした枝を整理する際、切り落とした枝をそのまま挿し穂として活用します。ここで最も神経を使うべきは「どこを、どのように切るか」というカット技術です。
挿し穂の切り方には明確な植物学的根拠が存在します。茎の中で細胞分裂が最も盛んな分裂組織は「節(葉の付け根の膨らんだ部分)」の直下に集中しています。したがって、先端から約7cm〜10cmの長さで、節のすぐ下(2〜3mm下)を清潔な刃物で直角またはわずかに斜めにカットします。節から離れた中途半端な場所で切ると、節と切り口の間の茎組織が退化して腐り、発根が阻害されてしまいます。
品種ごとの特性にも注意を払いましょう。垂れ下がるツル状の枝が特徴的なアイビーゼラニウムの挿し木は、通常のゼラニウムに比べて枝が細く、乾燥させすぎると萎縮して回復不能になる傾向があります。半日程度の軽い乾燥で十分です。一方、ハーブとしても親しまれるセンテッドゼラニウムの挿し芽(ローズゼラニウムなど)は木質化が進みやすいため、完全に木化した茶色い太枝ではなく、当年生の若くて緑色の弾力がある枝先を選ぶのが成功への近道です。